スタートレック映画は面白くない

気がつくと、映画『スター・トレック』が物凄く楽しみになってる自分がいる。今朝なんか自然とテーマ曲を口ずさんでた。

率直に書けば、スタートレックの映画は、映画としてつまらないと思う。映画というフォーマットに、スタートレックがあわないからだ。
スタートレックはテレビシリーズであり、面白さの本質は43分の一話完結物語に込められた、センス・オブ・ワンダーや、人間性への問いかけにある。シリーズが続くにつれて現れる家族のような一体感もテレビならではだ。
その面白さを、独立した映画のフォーマットでそのまま再現するのは難しい。傑作短編小説を長編に直すようなものだ。舞台設定も、役者の演技も、宇宙船のデザインも、スクリーン面向きにはなっていない。
10作も作られた映画版は、回を追うごとに(ことTNG以降)、ファンへのごほうびぐらいの存在へと身を落としてきた。ビデオ屋に映画版(或いはTNGの派手な前後編エピソードを集めたの)だけが並んでいるのが苦痛だった。あれをスタートレックの“入門”にしようとしたら、なんとなくスター・ウォーズと比べられて、言うほど面白くなかった、で終わってしまいそうだったから。


でも。


でも、今度のスタートレック映画は違うかもしれない。まったく根拠のない(そしてかなりの確率で裏切られる)期待が、心のなかで渦巻いてる。
そりゃ予告編を見ればアクションバリバリのカラッポ映画にも見えるし、過去の設定をブチ壊してくれるのは確実だ。でも、ひょっとしたら、今回の製作者JJエイブラムスは、そんな今風の映画のなかに、スタートレックの面白さの本質を、うまく掬い上げて封入してくれているかもしれない。


期待と幻想が、止まらない。

最新の予告編で、エンタープライズ第二船体のシャトルベイからシャトルが発進する短いカットがあって、なぜかそれだけの絵で、やたらと興奮してしまった。ああ、あれはエンタープライズなんだ。新しいスタートレックなんだ、と。

これほど公開が待ち遠しい映画は、久しくない。やっぱり今でも好きなんだな、スタートレック


こんな文章を携帯メールで3日かけてペチペチ打ってるアホがひとり。