プルーフ・オブ・マイ・ライフ

発狂した天才数学者である父の介護のため、人生の最も豊かな5年間を引きこもって潰してしまった娘が、自らがその期間に書き上げた数学の証明で、自分の存在価値そのものを証明しようとする。

極端に言えば、ニート応援映画だ。自分の人生は無駄ではない。悪夢のような過去は悪夢ではない。必ず価値がある。その証明をするため、一歩踏み出そう。そういうメッセージ。天才科学者という設定のせいで、現実感が感じられないかもしれないけれど、理系的なものに一定のリテラシーを備えていれば、楽しめるんじゃないだろうか。

僕はSFを観るときの感覚を半分使って、楽しんだ。つうか科学を軸に人生の意味を問うんだから、まあSF的だわな。こういう表現でイーガンの短編を映像化してみてほしいもんだ。

グウィネス・パルトロウも好演だったと思う。彼女のイラつきに共感して、こちらもみぞおちが重くなる。