コンビニ菓子の究極進化

ここ2月ほどかりんとにハマってる。コンビニやらスーパーやら色々試して、デパ地下の有名店のもかなり食べたが、けっきょくコンビニで売ってる東京カリントの『蜂蜜かりんとう(黒蜂)』がいちばんウマい。

スーパーの安物は大ぶりでバサバサしてるだけだし、高級かりんとうは甘みが鋭敏すぎたりカリっと感が強すぎたりする。ところがこの『蜂蜜かりんとう』のバランス感は凄い。カリっと感をプッシュしすぎず、適度なしっとり感があり、太すぎず細すぎず、まろやかで瑞々しい甘さを伴ってシャリシャリと食べられる。一袋あけたら止まらない。

これがどこのコンビニにもあるんだから困る。プライベートブランドでも中身はコレなところがある。アルミパックでコンビニの中でも比較的高い部類だが、それほど高級なものじゃない大量生産品だ。「黒蜂」なんて書いてるが黒蜜じゃないし。でも、由緒正しき和菓子店のかりんとより、よっぽどかりんとの美味しさを理解した作りをしているように思える。恐るべし東京カリント。これはコンビニの厳しいPOSサバイバルをくぐり抜けてきた、究極のかりんとじゃなかろか。

もうひとつ、亀田製菓の『黒豆いりぬれ餅 ちぎれもち』にも目が離せない。濡れせんべい系の菓子は静岡の文化になく、最初は「せんべいをシケさせて何がうまいんだろ」ぐらいに思っていたが、いまじゃコンビニで買う菓子は先のかりんととこのちぎれもちばっかりだ。コイツも様々な濡れせんべいの中で最もバランスの良い味だ。個別包装を破ったときにわっと鼻に入る大豆の匂いが食欲をそそる。たっぷりと醤油がしみこんでさっくりしっとりとした餅の食感。そこに黒豆のぽりっとした感触がほどよく混じる。たまらん。

この菓子さえあれば生きてゆける。逆に、この菓子が棚から下ろされる未来なんて想像できない。ここまで味が安定したもの以上の製品が、今後登場して、POSで今の製品を駆逐することなんてあるんだろうか? かりんとと濡れせんべいは、コンビニの進化の終着駅に来たような気がする。