TAP

バクスターの『プランク・ゼロ』を読みつつ、新幹線に乗る前に買ったイーガンの『TAP』も正月中に消化しちゃおうという予定。表題作は英語版でちょろっと読んだ記憶があるんだけど、なぜかニーヴンの“ノウンスペース”に出てくる“タスプ”と混同して、書店で「タスプって本ありますかタスプ!」と聞きまわってしまった。

いま“ユージーン”まで呼んだけど、こいつがまたイーガン先生らしい馬鹿話とシビアなオーストラリア描写のあわせ技。科学説明のまだるっこさは人を選ぶけど、オーストラリアでの“生活”というものに触れたひとなら、彼の描く未来のオーストラリアの絶望感は、かなりリアルに感じられるんじゃないだろうか。いや、この「次世代に何をのこしたらいいんだろう」という切羽詰った感覚は、日本でも同じなんだよな。