菊地成孔とペペトルメントアズカラール

誘われて、菊地成孔とペペトルメントアズカラールを歌舞伎町キャバレークラブハイツで聴いてきた。

すごく良い構成で、スペクタクルも泣きどころもあるジャズなんだけど、まあ物凄くキザでエロい。ほとんど何の予備知識もなく行ったんだが、あーこれ女にモテたくて聴かせたくて見せたくて、作ってんだなと思う。そのストレートな思想がいっそ清々しいし愉しい。聴かせどころになるとこっちもなんか燃えてくる。くぅーっとなる。どやっ! というプレイヤーの顔が見える。カッコいいわ。

ただ、すごくみっしり作られてたんで、疲れた。なんせ出だし長いチューニングかと思えばそこから既に曲というかパフォーマンスに入ってるわけで、なんか聞かなきゃならない気になる。曲に入ってもゆるさは無く、たとえば出だしはサクソフォンアコーディオンがびったり一部の狂いもなくあわせて始まる。曲の間もまた音が絶え間なく続き、そこからひとつ楽器の音が採られて、曲へと移行してゆく。ずっと音が繋がる。

キャバレーを利用した場もそうだし、制作者も言うように、もっとリラックスして楽しめばいいんだろうけど、こんだけ徹頭徹尾コントロールして作られた感が見えると、聴くほうも「次に何が来るのか、聞かせどころはどこか、トリックはどこか」と身構えてしまう。こっちの民度が低いのか、向こうのキザ度が高すぎるのか。カッコイイとは思っても、ラクには楽しめんわ……。

ちなみに一緒に行ったひとたちは、そんなことよりパーカスのマッチョ系がいいかバイオリンやアコーディオンのメガネ男子系がいいかでキャッキャしてたわけで、それも含めて成功なんだろう。