篤姫 第22回『将軍の秘密』

泣いた! もうガン泣きやわあ。どこかコメディめいた前のエピソードと打って変わって全体を貫く陰鬱な雰囲気、そしていつか来るだろうと思ってた家定公の激白! カタルシスとはまさにこの事。連邦共和国的日本にまで踏み込んで、まさかそこまで頭が良いヒトという設定にしてくるとは思わなんだ。それを聴く篤姫宮崎あおい)の表情もまた見事。昼間のほんわりおでこちゃん顔がすっかり消えて、家定をじっと見すえる眼力の強さといったら! そして一段二段にとどまらぬセリフの応酬で、遂に家定の絶望が絶叫となって昇華するまでの展開は、まさにクオリティ・ドラマの手法。ブレまくるカメラワークもあいまって見事なシーンでした。いや欲を言えばロングの撮りももう少しレールで回すとか、ダイナミックな動きがほしかったけど。

これぞ大奥。これが現代日本最高峰の宮廷ドラマ。こんなカッコいい将軍様見たこと無いわ。徳川家定堺雅人は完全なハマり役やね。ここまでクセのあるキャラクター、『エリザベス』なんかの良質な海外歴史作品を思い起こす出来だった。安っぽい戦国時代劇より、これ輸出した方がよっぽど売れるんじゃない?