FBI 失踪者を追え!3

翻ってNHK BS2のこちらのシリーズは、絶好調の印象を受ける。前後編エピソードの前編となった第6話「母と子の明日」(前編)は、解決編のアクション&サスペンスを後半に譲ったおかげで、今回の被害者となる貧困層の女性の背景がじっくりと描けてる。この描写は失踪者救出の時間に追われる警官たちの捜査と、その参考人の回想シーンという構成で行われるので、非常に多角的かつスピーディで飽きさせない。このフォーマットは黄金だな。

繊細な感情描写というんじゃないな、舞台となる世界を繊細に、じっくりと描写するのが巧いんだと思う。結果として、人間の感情もリアルに描けることになる。この特徴は、向こうの推理小説SF小説が、日本基準だと冗長だと思えるぐらい分厚いのと同じ原理なのかもしれない。