ドクター・フー
第2シーズン(2006年シーズン) 23話:地獄への扉
この前後編は本当に面白かった。クリフハンガーエピソードの後編がダレずにキチンと盛り上がる作品は、意外と貴重だ。
繰り返すけれど、やってることは閉鎖空間でモンスターに追いかけまわられるといういつものパターン。でもこれだけのめり込めたのは、手馴れた構成と役者の演技、ダイナミックな画面づくりの賜物だろう。
絵に関して言えば、ベースはチャチなかぶりものエイリアンであっても、微細な表情をつけて言いようの無い悪意ある存在を表現したり、漆黒の闇に独り降下してゆく宇宙服姿のドクターという魅力的な情景を描き出してくれた。
白眉は今回の謎のエイリアン、ウードたちの口から真の敵の存在が何であるのか語られるシーンだ。平坦なウードの声と、それに掛け合うドクターのイギリス訛りのまくし立てる口調が緊迫感を盛り上げ、一種哲学的な問答となるその内容には、ひざを叩いて喜びたくなった。
この見事な演技演出は残念ながら吹き替え版ではかなり失われていると思う。ドクターのブリティッシュ・アクセントは偉大だ!
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