オークランド:中華料理『頂好』

大学最終日。そしてエッセイ(いつも訳語がわからないのだが、「小論文」でいいのか?)の締切日。相当寝不足なので総てが緩やかに、かつ破滅的に思えてくる。マクドナルドのバイトがトロくてカウンターに誰にもわからないようそっと蹴りを入れてみたり、英語をチェックしてくれるチューターの態度があまりにも傲慢だったので表向きはこれ以上双方の不快指数を上げないよう笑顔で接しながらも、後ろではそっと彼女の後頭部に向けて人差し指で引き金を引く動作をゆっくりと繰り返したり。

小論文のほうはもーええわ知らん知らんどうせこないだかなり良い成績とってんだから今回はC−でもDでも受かるには受かる! てなわけで印刷して提出ボックスに投げ入れて逃げ帰ってきた。しかし自分、大学の課題ですら締め切り直前徹夜してギーギー言ってるのに、マトモな社会人になれるんか。キチンとした仕事できる気しない。一生みやげもの屋で売り子でもしてるのがいちばん合ってるような気がする。


さてそれから。すぐアパートに帰って寝りゃいいものを、思わず某さんに電話して「こっち終りましたけど、どうですか?」などと喋ってしまう。当然メシ喰いに行こうてなことになって、何故か寄せ集まった(ホントにどうやって集まったのか良く解らん)7人で中華料理、「頂好飯店」。英名は Ding How(ディンハウ)。台湾系か香港系かよくわからんが、まあ万遍なく中華料理の店。店舗はシティのアルバートストリートに面したビルの2階にあるのだが、入るには交差するウィンダムストリートかスワンソンストリートからセント・パトリック スクェアに回りこまないといけない。セント・パトリック スクェアは昼間来るとこんなところにこんな広場(たって小さいが)があったのかと感じる、妙に小奇麗に開発された教会の前の広場。

で、ディンハウ。綺麗に盛り付けられた最上の料理を出すわけじゃないけど、安っぽい品を出すわけでもない、実にこれが普通の「レストラン」なんでしょうな。まず揚州炒飯は店に関わらずあったらディフォルト注文でしょう。お子様ランチみたいな見た目だけど。某さんの鴨! とのリクエストに答えて取った鴨肉は巧く煮てあるのか、かなり肉が厚いわりに臭みが無くて善し。四川蝦球は少々くどすぎかと思ったがアツアツは蝦がプリッとしてて、これにはあがなえない。特別メニュと書かれた別紙に蟹(だい好き! もし甲殻類と結婚するなら蟹しか考えられない!)があって狂おしいほどの期待を込めて頼んだが、出てきたのは別のレストランで飲茶に食べたのと同じ、拳大の甲羅の蟹を殻ごとスパイシーに揚げた物。少しパサパサし過ぎで味わいがいが無く、夕食向けの調理としては少々不満。あとデザートはココナツジェリーが絶品だったらしい。残念ながら僕の選んだ杏仁豆腐は缶詰まんまかい! と叫びたくなる下品なもの。

周囲の反応を聞くと案の定「こってりしすぎ」と。日本人としては当然か。やはりメインだけでなくエントリーの料理もしっかり頼むべきだったかな、と満腹で更に眠くなった頭で思う。そして値段。実質5人で払ってひとり44NZD! これは坂田健悟、ニュージーランドで払った値段としては、飲みを除いて最高値でしょう。日本円でも2200円とは、まあこれが普通の「中華料理」か。店内にはおっとり顔だが異常に男ウケする香港人の女のコが10人ぐらい男従えて誕生パーティしてたり、日本語学科の補助教員してる台湾人の長身おねーさんがおんなじ様に長身でしかもみんな黒服の友人と来たり、なかなか人気の店らしい。

これで終って寝れるかと思えばそうでない。このままミッドシティの韓国系プールで球突きを夜2時まで。やっと解散してアパートに戻りイソイソとパジャマに着替えようとすると、電話がかかってきて「ドア閉まってて帰れないから泊めて!」ああもういつになったら寝れるのん!(次回に続く)


  • 朝ベーコンエッグマフィン、マクドナルド。
  • 昼サンドウィッチ、大学のバス停近くのカフェで、例によって味気ない。
  • 夜中華。上記の通り