演説をするひとたち

金曜日の夕方。大通りの歩道を歩いてると、通りの向こうのビルに人だかり。6車線のとおりを挟んでこちら側でも、大勢の人がビルを眺めてる。ビルには『麻生首相来たる!』の張り紙があって、よく通る声の政治家が演説をしてる。

たぶん都議会議員の事務所なんだろう。喋っているのは応援の国会議員のようだ。首相は1時間も遅れてるということで、面白そうだったので眺めてた。「もう××の交差点を過ぎたとのことです」「おおかみ少年みたいになってすみません!」「いよいよです!」なんて繰り返して、いよいよ黒塗りの車列がすーっと事務所の前につくと、ひとくさり拍手があって、よく見えない人影が喋り始めた。

都議会議員は素人くさいギクシャクした喋り、国会議員はよく通るが生硬な内容の演説(海賊問題で民主党を批判してた)、そして首相はもっとソフトでウィットを効かせた語り始め。

なんか、はじめて、民主主義政治を見た気がした。人が集まって、演説を聴いて。その演説の巧さも、上にゆけばゆくほどあがっていって。これが基本なんだなあ、なんて思いながら、よく通る声を背に歩いていった。