噴火とくれば

おお、浅間山に続き桜島も噴火か。日本各地で天変地異! いいねこの感覚、怪獣映画っぽくて。地震、噴火とくれば怪獣出現。

小学生も低学年の頃、週末の夜になると、両親は僕や妹を連れて、隣の市にある喫茶店に行った。父親の遊び仲間の店だった。僕はそこで読める少年ジャンプが楽しみだった。

当時連載していた『ハイスクール奇面組』で、たまにやるウルトラマンのパロディスペシャル『ワラトルマン』が大好きだった。既に怪獣好きだったので、子供心に、作者に親近感を覚えていた。

なかでも強烈に覚えているのが、カニ型侵略宇宙人カーニ星人のエピソードだ。カーニ星には“ヒト”と呼ばれる人間そっくりな生き物がいて、それが大好物なカーニ星人は地球までヒト漁をしに来たのだ(すごい、今でもスラスラ筋が言える!)。

ギャグマンガならではの設定だが、センス・オブ・ワンダーだ。こんなエッセンスも含めて、きちんとウルトラマンのパロディになってる。

東京各地のカニ料理屋の巨大なカニ看板が突如動き始め、折り重なるように集合すると、そこに1体の巨大カニ型怪獣が出現する。カーニ星人の侵略怪獣“カニドーラク”である。カニドーラクの中身はカラッポなので、倒してもすぐ復活する。

そして、東京だけでなく日本各地の大都市で同時に出現するカニドーラク! ここの盛り上がりは凄かった。見開き(だったと思う)で、各コマに日本各地の風景をバックにしたカニドーラクが描かれたあの絵のダイナミックさといったら! 僕の記憶の中ではこのパロディ怪獣こそが、ウルトラマンタロウの怪獣ムルロアと並んで、“最強”の怪獣だった。