ER:13シーズン16話『良心の危機』

複数の医師に対し複数の患者が登場し、物語を織り成す通常フォーマットのエピソード。その中の“一発ゲスト馬鹿患者”(コミックリリーフ役)は、予知能力で体が痙攣する男だった。これがどこかで見た顔だと思ったら、アンディ・ディックだ! 急いで原語+字幕に切り替えた。

アンディ・ディックはかつてのシチュエーション・コメディ『ニュースラジオ』で、アビー役のモーラ・ティアニーと競演していた。10年ぶりの競演じゃないだろうか? 当時も“アタマおかしい”系のキャラで、それどころかプライベートでもかなりヤバいとのゴシップを何度か見ている(トークショーでいきなり自分の髪を切り始めたりとか)。

ディックの容姿はかなりヤバい中年になってたけど、原語での演技を聞くと、やはりディック。ニュースラジオでのノリが今でも感じられる。対してティアニーも、芯の強そうな役柄はERとニュースラジオで同じなわけで、ふたりの掛け合いにはふと往年のコメディの楽しかった時代が思い起こされて、逆にしんみりしてしまった。

『ニュースラジオ』は日本未公開なので、ディックも国内では知られていないけれど、目に付く範囲では、『スタートレック:ヴォイジャー』のEMHマーク2役がある。ロバート・ピカードとの共演になる大爆笑のコメディエピソードなんだが、冷静に考えるとディデリデックス級ロミュラン・ウォーバード人工知能の医者ふたりで撃沈して、数千名の虐殺をしときながらキャッキャ喜び合うという狂った話だった。

なお、NHKのブログによると、メインのゲスト患者はブレードランナーの女レプリカント役だったらしい。エピソードのクオリティ的には、“いつもの”ERどおり。エンディングで重い葛藤を視聴者に残す良いストーリーだった。