ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

正式タイトルは "ヘルボーイ2" じゃないのな。前作じゃ思いがけず宇宙的な神話を持ち出してきて手ぇ叩いて喜んだんだが、今回はちょっと欲求不満だったかも。中盤山場の対エレメント戦が終わったあたりから、ちょっと眠気が……。

前回のクトゥルフ神話に対して今回は妖精譚のごった煮風。ブルックリン橋の下の妖精市場は魅力的な舞台だし、20メートルクラスの巨大妖精がビル街で暴れまわるのは素晴らしかった、んだけど、ほかのアクションシーンは、なんかタるい。くわえて物語も、もうちっとシェイプアップできなかったのかしら? 人間の陰で消えゆく種族って、ぐっと来る物語の芽がばらーっと全編に撒かれてるんだけど、どれも踏み込みが足りないというか。あらヒドい事ばっかり言ってる。怪獣映画は、乗り切れるか否かでシビアな結果になるなあ。

現代退魔モノというとテレビシリーズの『バッフィー・ザ・バンパイア・スレイヤー』が好きだったんだけど、あっちはベースのキリスト教的な世界観が強すぎて出現するデーモンのバリエーションが保守的だった(デザイン的には今回のヘルボーイに勝るとも劣らないモノが多かったんだけど)。ヘルボーイみたいな色んな神話のごった煮的な世界観からは、もっともっといい映像と物語を引っ張ってこれそうなんだけど。原作コミックでは色々あるんだろうけど、土着のインディアンの精霊や、移民してきた東洋の魔物との戦いとか、面白そう。映画の3作目は微妙かもしれんけど、テレビシリーズやってくれないかしら? メイクが手間過ぎてムリか。

あ、新キャラのドイツ出身クラウス教授は、デザインもキャラもまさにマンガ的で最高だった。あのドイツ語訛りバリバリの口調(クラウスはSが二つ! SSである!)、どっかの有名なコメディアンが声当ててるのかと思ったら、imdbだとほとんど芸暦が出て無いヒトなのね。←訂正! imdbで見たのはスーツアクターの方だった! 声はセス・マクファーレン。やっぱり『ファミリーガイ』のヒトだ!