七瀬ふたたび

実は観ていた『七瀬ふたたび』。主人公の娘が強烈に可愛いし、第7話あたりがんばってるなと思ったんだが、なんだあのエンディングは! ひどいと言わざるを得ない。あれはドラマの放棄だ。なんというか、ただ殺せば筒井康隆(個人的にはあの文体と肌があわないんだが)らしくなるってもんじゃないだろ! このテレビ番組のシナリオは、SFをSFたらしめる合理性をかなぐり捨てて、またこれまでの物語の積み重ねを全て無駄にして、独りよがりな“美しさ”を良しとし、わかるヒトだけ感動すりゃエエ的なカラッポの終わり方にしてしまったのだ。映画ならまだ観た人が「駄作」と言い切ればそれで済むが、万人が観るテレビドラマ、しかも国民の視聴料で持ってる公共放送で、許されないんじゃないのか?

演出もまた何が下らないって、あの眠りにつく主人公に降り注ぐ鳥の羽! 実写でやるなよ! お前はウルトラマンネクサスか! 「キリスト教圏の天使信仰を安易に演出に取り入れた海外の映像作品を表面的な美しさとわかり易さから安直にコピーした日本のSFファンタジー的な演出をさらに安易に実写に流用した」あの演出は許しがたい。実は木の上に羽毛布団がひっかかってましたっつうオチならまだ許した。