篤姫

いやあ終わった終わった。最終回はまあ大河らしい、オーバーラン的なエピソードだったけど、妙に説教臭くもなくてよかった。いや実は観始めた頃、最後明治になって篤姫が、町民あたりに「女の道も、もう一本道ではないのですよ」とか言ってくれるならそれはそれは凄いよなあと思ってたんだけど、終わってみたら、このドラマで描かれた“女の道”は、そんな妙に斜に構えたコト言う以前の、もっと本質的な、ヒトの持つパワーに関することだったんだなあ、と素直に感心した。篤姫が“最後の城主”になってゆく展開に違和感なく引き込まれたし、城主然と振舞う篤姫は観ていて痛快だった。

なんつうか、篤姫の大奥ってのは女子高のクラスみたいなもんで、そこで転校生ががんばってがんばって委員長になってクラスをまとめ上げる物語なわけで、スポコンに近いメンタリティだ。そりゃ燃えるよな。

ラストの過去エピソードコラージュでは案の定涙ぐんでしまった。よう演じたわ宮崎あおい。個人的には稲森いずみ演じる滝山と、中村梅雀演じる井伊直弼がよかった。どちらも“頭の良い”設定のキャラで、きちんと論理的なセリフの掛け合いで宮崎あおいと渡り合い、見ごたえがあった。特に滝山は、立場的に篤姫と敵対していたのが、彼女を理性と情の両方で“理解”して、自然と最大の協力者となってゆくプロセスがよかった。

そこかしこで言われているようだけど、僕も維新後の各キャラの外伝エピソードが観たい。特に徳川慶喜は、歴史上の人物として、実は親近感を抱いているので、劇中いやらしく描かれまくったあのキャラが、駿府でケラケラ笑いながら悠々自適と遊ぶ姿なんか、ちょっと観てみたいな。