夢日記

初夢からひどい夢を見た(あ、今から観るのが初夢か?)。

手の中にスズメかカワラヒワのような小さな鳥を抱えて走っている。世界が終わるか動物が絶滅するか、とにかく動物を少しずつあつめて人工的に作った楽園に持ってゆかなければならないのだ。生態系を無視した少数の動物であれば、ペットのネコとネズミが共存するように、喰いあうことなく生きてゆけるという科学的裏づけがある。

それで、最後のこの小鳥を両手で包んで、楽園へと走っている。手の中から飛び出そうという鳥の羽の感触がとてもリアルで生々しい。しかしこの鳥は同時に、自分の声で、まるで自分のように皮肉たっぷりに世の中やら、この脱出計画やら、走っている僕のやりかたやらを批判し、ボヤくのだった。その口調に悲壮感が感じられ、とても共感し、はやく楽園環境に届けなければと目的のビルを目指す。それはビルの15階にあるのだ。

エレベータの中で、いよいよ悲壮感の増してきたさいごのボヤきを聞く。こんな人工的な環境がどうとか、病気が流行ってるとかなんとか。15階について、ドアが開くと同時に手を離すと、物凄い勢いで鳥は中へと飛んでゆき、その勢いで僕自身も部屋の中へ転がり込む。

部屋は大きなプールの上にフロートを敷き詰め、その上に土を盛ってジャングルをしつらえたような構造で、ごろごろと転がって濡れ干草の山でとまると、後ろからブラキオサウルスのようにキリンの首がプールからでてきて、挨拶をする。ああ本当に動物の楽園だったんだなと思う。ゾウやライオンのところに行き、この環境についてあれこれ訊いたり訊かれたり、すっかり打ち解けいろいろな動物と談笑をするうちに、ふと鳥の事を思い出す。見回すとプールのふちに鳥が落ちている。あっ病気か、と思って手に取ると、目から羽の付け根にかけてが化膿してウジがわいているのだった。ああっ、と思って目が覚めた。

最悪の寝覚めだ。縁起もへったくれもありゃしない初夢から動物殺してるんだから。

小学生のころ、ちかくで飛べなくなっていた鳥を拾って、持って帰ってきた事があった。夕食の席で母親や妹といっしょに少し米粒などを与えて、いちじは自分で歩けるほど回復して喜んだのだが、それがわずか10分程度で急変し、母親の手の中で死んでしまったことがあった。泣いた。妹はまだ母親の言う「お空に行ってしまった」という比喩的な表現がすぐに理解できない年齢だった。とても泣いた。それを思い出した。