ブラザーズ&シスターズ

きょうからCS AXNチャネルで始まったアメリカのドラマシリーズ。


―― NYのラジオ局で人気討論番組のパーソナリティを勤めるキティ・ウォーカーは、故郷LAのテレビ局からスカウトを受け、LAへ戻る。実家では父親ウィリアムとその妻ノラ、そして5人の兄弟姉妹が勢ぞろいし、久しぶりの再会を祝う。しかしそこにあったのは、決して心安らぐだけの家庭ではなかった。父親のファミリー企業である食品会社は経営上の問題が持ち上がりつつあり、またきょうだいも様々な問題を抱えている。キティ自身も、厚遇を受けるテレビの仕事とNYの恋人との間で心が揺れ動き、またイラク戦争から戻った末っ子ジャスティンの事から母親との関係を修復できずにいた ――


ファミリードラマにはあまり食指が動かないんだが、キャリスタ・フロックハートが帰ってくるということでAXNのプレミア放送を観たところ、布陣に驚いた。母親役のサリー・フィールドはかつてのアカデミー女優。『ER』でアビー・ロックハートの母親役を演じ、精神病患者の演技ですさまじく厚い演技力を見せてくれたヒトだ。母親役として鉄板だろう。そして父親役にあのトム・スリケット! 言うまでも無く『ピケット・フェンス』の主役(映画では『コンタクト』のドラムリン等)で、これも家族というものを丹念に描いてゆく上でベストの役者……と思ったら、スリケットは1話限りのゲスト扱いなのね。残念。

ちょっと調べると案の定サリー・フィールドは07エミーで“主演”女優賞を撮ってて、完全にキャリスタを喰ってる模様。また長女役のレイチェル・グリフィスもHBOの『シックス・フィート・アンダー』でゴールデン・グローブ賞を獲ってて、07エミーでも助演女優賞を獲ってる。この布陣はネット局ABCの面子にかけて、完全に勝ちを狙いにいったんだな。

ドラマの作りはやっぱりファミリー群像劇ということで、落ち着いた演出が多く僕は退屈だと感じるんだけど、役者の表情が固まってきたらそれなりに見ごたえがあるだろう。しばらく観てみようかな。

きょう観たのは字幕版だけど、吹き替え版ではノラ役が谷育子となっている。『スタートレックTNG』のドクター・ポラスキーやムーミンママのヒトだ。個人的には母親というより優しいおばあちゃんというイメージの声。フィールドはかなり気性の激しい演技をしそうだけど、どう出るかな?