ドクター・フー

NHK BS2で放送中のイギリスの伝統的SFシリーズ 2005年シーズン。22話まで来たわけだが、安定して面白い。

ストーリーはと言えば、毎回モンスター(異星人)が現れて、ドクター(タイムトラベラー)とコンパニオン(好奇心旺盛なイギリス市民)が逃げたり戦ったりする王道パターンを繰り返してるだけなんだが、『X-Files』や『聖少女バフィ』と同じで、シチュエーションや細部にこだわり、毎回かなりのクオリティで作りこんでいるせいで、どれも楽しめる。

たとえば16話「女王と狼男」(1879年の密室と化した洋館で、ビクトリア女王とともに狼男型異星人と戦う!)や、18話「暖炉の少女」(18世紀フランスの少女の部屋と断続的に時空が繋がり、彼女を狙う悪夢的なマリオネット・ロボットと戦いながら彼女の成長を見る)といった過去への旅は、時代情緒とSF的な新鮮さが重なりあって面白い。16話は拳銃を構えるビクトリア女王という凄まじくカッコいい絵を見せてくれただけでも満足だ。

翻って今回の22話「闇の覚醒」は、ブラックホール軌道上にある不自然な惑星の古代遺跡探査基地を舞台に、『ピッチブラック』や『イベント・ホライズン』のような正統派SFホラーが展開する。こんな舞台設定、もっと自由にストーリーを作れそうなのに、きっちりお決まりの迫り来るモンスター(今回は人類の奴隷として使役されているエイリアン)を入れてくるのが心憎い。今回は前後エピソードとなったので、後編でエイリアンにどんな謎を持ってくるのかが楽しみ。