ヒルズ黙示録・最終章

一冊めは読んでないけど、今回は裁判編と聞いて読んでみた。
いやあドラマだなあ。ライブドア事件は総て終わったら、ぜひ 本 人 主演 でミニシリーズの法廷ドラマにしてほしい。裁判シーンと、それに至る各キャラの過去がカットバックする形式で。
なにがドラマかって、キャラがみんな多面的に描けてるじゃない。きちんとライブドア村上ファンド、検察それぞれに信奉する正義があり、大義もあり、情熱と仲間意識があり、翻って欲と計算と犯罪的な行いがある。ゆえに矛盾が現れ、エゴがぶつかり合う。みな実に人間的だ。
読む前は(筆者の書き方はどうあれ)ライブドア側に同情し、検察のやり口を憎むのかと思ったのに、読み終わってみるともっとフェアな感動があった。このなかには、画一的な正義も善も存在しないのだ。まったく、これはクオリティドラマの素材となりえる。
裁判描写はもう少しみっちり読みたかった。149ページあたりなんか、まさに手に汗握る瞬間だもんな。これが最終章なんてしないで、ぜひ判決まで追いかけてほしい。
再現ドラマは本人出演無理なら、そっくりさんでいいんじゃないかな。欽ちゃんも演技の幅を広げるいい機会でしょ。ただ堀江被告はぜひ本人で。あのヒト演じてる途中で本気になっちゃって、ものすごい熱演(というか素の感情)が観られそう。