CSI型料理番組

殺人事件の科学捜査に焦点を当てたCSIシリーズは、SFXをつかったミクロ描写(弾丸の体内での軌道と内臓の破壊進度の再現とか、血流をながれる毒物の分子レベルでの作用だとか)が魅力的なんだが、この手法を活用した料理番組が観たくてしかたない。

料理にはこれまで体験的に積み重ねられ、ほぼ儀式化した手法が多くある。アレを炒めるときは強火でこれだけとか、コレを切るときは先にココにアレしてとか、下味をつけるときはこの順番でとか。しかし、その儀式の背後には、必ず化学的な作用があるわけで、だからからこそ実際おいしさが変わるわけだ。

もっと言えば、この土地の野菜はおいしいとか、最近の野菜は栄養価が減ってきたとか、そういう話は、地質学的なレベルか、品種改良による種のミネラル取得効率といった方面で説明できるはずだ。

そういった情報を料理のプロセスに徹底的に織り込んで、素材のもつ有機質・無機質が、いかに変化し、ひとつの料理と化してゆくのか、そして、なぜその料理がおいしいのかを、スピーディな映像で徹底的に解剖する番組が見たい。Cooking Scene Investigation.

一本あたりいくらかかるんだろう。でも監修してもらうなら農大に行けばいくらでも先生はいそうだな。『もやしもん』て漫画もあるし。