スタートレック エンタープライズ

最終第4シーズンになってスタッフがやれるこた全部やっちまおうとはじめたらしい『銀河の歴史学習』シリーズ。さいしょの『優勢人類のなぞ(全3回)』に続いて、いまやってる『バルカン星のなぞ(全3回)』もなかなか面白い。

第1回(第83話 "The Forge")は、バルカン星の惑星描写に目を見張った。単なる風景だけではなく、空気や太陽が異なるという点まで表現できていて感動。おはなしもENT流のアクションシーンだけでもりあげてゆく粗雑なやりかたではなく、知的なスリリングさがうまくかみ合っていて、久々にまっとうなスタートレックが観られた想い。アニメ版で出てきたセーラット(確かゴジラの声で鳴くヤツだっけ?)が実写化したのはファンサービスか。

第2回(第84話 "Awakening")は、日本語で観ると前回に比べてかなり平坦でつまらなく感じられたが、英語で観ると演技が良好で、非常に重みのあるエピソードだった。第79話でも感じていたが、トゥパルの母親役のジョアンナ・キャシディの一歩飛びぬけた演技につられて、ジョリーン・ブラロックも非常に良い表情を見せてくれた。バルカン人の描写としては、ちょっと感情的すぎかもしれないが、だからこそ重みがある(これってシリーズ数百話観た人間でないと持ち得ない感想かね)。

あと、Kara Zedikerはとても可愛い。

少々さびしいけれど、恐らくエンタープライズはこの3話アークがベストエピソードになるんじゃないかとの予感がする。優勢人類も、時間戦争編に比べたら十倍マシではあったんだけど、やっぱりアクションに偏って脚本にSFらしい知性が見られなかったんだよなあ。