gasoline2004-10-22


ヨンジュンというのは、確かにセックスを感じさせない存在だな。今更気付く。

写真は青梅、国際展示場。3日おでかけして、やっと写真日和だった。

NHKニュースで台風や震災直後の被災地ドキュメントを観るたびに、これをまんまゴジラに置き換えた、とことん地味でリアルなエセドキュメンタリができねえかなあ、と思うの。被害に遭われた方を思えば本当に不謹慎だけれど。
ハンディカム画質超々ロングで撮られた進行中のゴジラや、ゴジラ通過後の破壊された街並み、そして被災者たちが、なんの主張もBGMもなく、おさえ目のテロップとアナウンサーの声だけで繋がって行く。『大怪獣東京にあらわる』という、怪獣がニュースでしか現れない映画があるけど、あれはちゃんとした映画作品。もっとどうしようもなく真剣にやった30分程度の馬鹿映像として、観てみたい。
僕にとってのゴジラは、何度も書くが『ゴジラビオランテ』で、この映画では伊豆大島に出現した怪獣ゴジラは東京直撃の進路を進むが、浦賀水道沖で自衛隊に阻まれ一転小田原に上陸、そのまま西に進路を取り、芦ノ湖から富士市に抜け駿河湾に入る。その後愛知に上陸かと思われた怪獣は、紀伊半島を迂回し大阪に再上陸、大阪中心部で猛威を振るったすえ丹波山中に入り、若狭から日本海へと抜けた。
膨大な破壊と、被災した人々があったわけだ。しかし映画は、やはり怪獣災害と闘う人々のドラマであって、名もない被災者はほとんど出ないし、そこにドラマは生まれない。
だから、極上のお遊びとして、ただただ静謐に、破壊される街と、被害に会う人々の表情を、丹念に描いた映像が見たい。
怪獣通過の翌日も燃え続ける火災現場。残留放射能測定の為の封鎖ラインの前で、自らの家を見ることも出来ず疲れきって座り込む中年男性。山の向こうの砲火の音と光をじっと見つめる、取り残された閑村の老人たち。上陸の際破壊された堤防にうずたかく積まれた土嚢と水浸しの道路。のたうつ蛇のように破壊された市街地の空撮。放射能防護服の自衛隊員がうろつく病院前からの中継。画面の中央のに捉えられた小さなゴジラ像が長い尾を叩き付けると、1.5秒ほどの時差をおいて鈍い音と振動が伝わる。
そんなゴジラが、観てみたい。