女子高生を殺して極刑を求められたものの、無期懲役となった男の裁判の、裁判長の被害者の両親に向けた言葉。
「納得はいかないでしょうが、犯罪者が人を殺すことはたやすくても、国家が人を殺すことは難しいのです」
……これは、名言というか、重い言葉だなあ。確かに一見情のない言葉に聞こえるけど、考えてみれば、この言葉を選ばざるを得なかった裁判官の苦悩が伝わってくる。まるで『ザ・プラクティス』の劇中のセリフみたいだ。あらゆる矛盾もひっくるめて、法による正義の本質が、この言葉に凝縮されているように感じる。