アホでマヌケなアメリカ白人(マイケル・ムーア)

この本とか、『ブッシュ妄言録』とかが、日本や韓国でブームになってるのは、どうも気色わるいなあ。あの売りかたは、なんか「ホレみろやっぱアメリカは異常で病んだ国じゃねえかハハハ」てな感想をもとめられてるみたいで。
アメリカ白人については、ああいうきょくたんな自国ヒハンを、超エキセントリックなギャグとして出版されてるてとこに意味があると思う。ほんらいアメリカ人が読んで楽しむもので、外国人がアメリカをムーアのしりうまに乗ってあげつらうのは、ヘンだ。
妄言録にしても、タイトルからしていやらしい。たしかにブッシュはヤバいぐらいにアホっぽいし、おら民主党支持だからヤツの政治はおかしいと思うし、原作Bushismはmsnでよく読んでニヤニヤしてるけど、あれはヤツのでたらめな英語をネタに笑うもので、政治的な“妄言”とはちとちがうのでは。
アメリカのいまの政治も社会問題も、おかしいとは思うけど、あのお笑い本を読んでストレートに怒ってみたり、いやしむような笑いをうかべるのは、気色わるい。じゃあ、あんたの国はどうなんだ、と。もし各国の総合マヌケ指数みたいのが計算できるなら、どの国もまったく同じ値になるとおもう。びょうどうにマヌケというのが、おらの実感なわけで。
逆に、ああやってギャグにできる才能と余裕がある国ってのは、うらやましい。けどムーアのいまやってる映画は、ちとちからが入りすぎたのか、ユーモアがいまいちらしい。やっぱ30分のテレビでイラクタクシードライバーワシントン州まで核査察に行かせたりしてるのが、軽くてちょうどよかったのかな。