バトルスター・ギャラクティカ:第31話『ダウンロード』

――核攻撃によって人類のほとんどが姿を消した惑星カプリカでは、ヒューマノイドサイロンたちが新たな秩序を作り出しつつあった。かつてバルターに取り入ってウィルス攻撃を成功させた英雄的ナンバー6、通称“カプリカ6”も再生を果たすが、彼女には他のサイロンに悟られたくない、ある変調が起きていた。そんな中、彼女はもうひとりの英雄サイロン、アダマ狙撃を成功させた“シャロン”の再生体と出会い、そこでひとつの事実に気づく――

今まで断片的にしか明かされていなかったサイロン社会を舞台にしたエピソードだ。ギャラクティカ側のキャラはほとんど現れず、ハデな戦闘もまったく無いエピソードだが、素晴らしい! “人間のようで人間で無い”不気味なサイロン社会のなかで、2人のサイロンが、“人間らしさ”というものに気づき、新しい第一歩を踏み出すまでのプロセスを、丁寧に、感動的に、描きだす。久々に胸にくるSFだ。ヒューゴー賞ノミニーとなったのもうなずける。

今回はバルターが凄い。もともとその風貌から、偽メシア、いやそんな高尚な存在じゃないな、“ダメ過ぎるキリスト”としか言いようの無い彼だったけれど、今回の彼は、まさしく超人的な存在感を示してくれる。ラストシーン、彼がぬっと画面に入ってくるところなんか鳥肌モノだ。シリーズ的にもこれでぐっとドラマが厚くなったし、謎もより深まり、ますます先が気になるようになった。そしてエピソードは第2シーズンフィナーレへとなだれ込む。