バトルスター・ギャラクティカ:第30話『ペガサスを継ぐ者』

いっぽうSuper! DramaTVでやってる方の先行字幕放送は、そろそろ第2シーズンもクライマックス。なんだが、このエピソードは良いネタを転がしていつつもちょっとパワー不足。

――バトルスター・ペガサスの飛行教官を任されたスターバックは、機関士あがりの新任艦長ガーナーと早くも軋轢を起こしていた。そんななか、訓練中のラプターが謎の通信文を残し、行方不明となる。一方、選挙を控えたロズリン大統領は、中絶手術を求める少女の権利と、減り続ける人類人口とのあいだで苦悩する――

それぞれ非常に魅力的なプロットだが、それぞれ踏み込みが甘く中途半端な印象を残している。カーラのプロットの方は派手な見せ場があるものの、サイロンの戦略は背景等が見えずいまいち“らしくなさ”を感じる。ロズリンプロットもヘヴィなテーマである分思索が足りず、ロズリンの決断が非常に安っぽいものに見えてしまう。敢えて言えば、シーズン2〜3のクリフハンガーを進行するために必要な状況をつくるためのプロットだったかと思ってしまう。それぞれ別エピソードにして観てみたかった。

いや、グチグチ書いたけど、それでもクオリティは十分高い。たとえ次回への状況を作るためのプロットだとしても、両ストーリーとも状況だけ描いて投げっぱなしにすることをせず、キッチリと脚本のお手本のような起承転結をつけて、印象的な絵とセリフを残して締めてくれてるんだから。