読めない字

茉莉という字を見るたびに毎回うろたえる。なんと言うか、瞬間的に読み方がコトバとして出てこないのだ。この字は。

アタマには先ずなにかボヤっとした、ホラあれだよアレ、的な物が浮かんでくる。次に出てくるのが、ハーブの、お茶とかに入れるアレ。で次に、えーと、ジャスミン! でも日本語読みが出てこない。りぃ、り、りりぃじゃなくて、みりぃじゃなくて、シオリちがくて、まつり! そうだマツリだマツリ! やだなあよく見りゃつくりがマツ・リになってるのになんでいつも素直にマツリとでてこないんだろうやあ参った。

と、文章中にこの2字が出るたびに、上記の思考を毎回繰り返す。どうも僕の脳の言語処理機能は、茉莉の字には音にも絵にも意味にもなりきってないあやふやな「何か」のみが与えられてるらしい。

で、これが「森茉莉」なんかになったら更に大変なことになる。上記の思考の後に、ああ違うチガウ違うこれ人名なんだからモリマツリなんて言わない読みかたは、ええっと、りぃ、り、もりりりぃ、もりみりぃ、もりまり! モリマリだって! こんな当たり前な名前なんで覚えられひんねん自分! ……という部分が付け加えられる。毎回。なんでやほんとにしんどいわ。なんとかしてくれ。

はずかしついでにもひとつ。扇千景というヒトを帰国するまでオオギセンケイと読んでました。だってこの名前知ったのニュージーからネット上でだったし。ネットの文章じゃふりがなつかんし。日本語しゃべるテレビとかもないし。誰が「チカゲ」なんて、女性名で ゲ の入る名前、想像できるか。