ヘンなひとたち

最近家からネットに繋げなくなったせいで、漫画喫茶を利用する。その帰り。深夜。雑居ビルの3階から階段を下り、酔っ払った大学生を尻目に駅前を右に歩き、交番の角を左に折れ、踏み切りの前に立つ。と、その交番を折れる前。その向かいにあるパチンコ屋の壁に、証明写真機が置かれている。そのなかに人がいた。いたはずだ。カーテンの下に白っぽいスニーカーが見えたと記憶しているからだ。最終から何本か前の列車が通りすぎるのを見ながらそう思う。

なぜ、足が見えたのだろう。冬の深夜の街を早足で歩く僕の、右手に証明写真機はあった。機械にはブースの入り口からみて右側にカメラが組み込まれているから、中の人はカメラと対面して座れば僕と1車線幅の道を挟んで向かい合うかたちで座っている。するとブースの中の足は死角になる筈で、意識して横を向かない限り見えないだろう。でも、足は見える位置にあった。

逆向きに座っていたのか。ブース内の椅子のうしろに足をそろえて置く余地はない。カメラの左側も同様。必然的に右側つまりブースの入り口側を向いて座っていることになるが、そちらも余地はなく、座れば膝から下がブースの外に出る筈だ。そうなれば流石に通り過ぎる前から認識できていただろう。しかし、そうではなかった。足は正面を向き、かつブースからはみ出ていなかった。するとブースの中の人は、カーテンのすぐ内側で外を見るように立っていたわけだ。

なんでそんな意味の無い格好でブースの中にいなけりゃならんのだ。妙に可笑しくなって、もう見えないのにふと証明写真機の方をふりかえってしまった。交番が見えた。普通は交番の入り口で仁王立ちしている警官は、きょうに限って向かって左側の窓の前にいた。その窓の外の正面にある証明写真機を見据える格好で、後ろ手で構えてじっと立っているのだった。僕も暫くその警官を見つめてしまったが、遮断機が上がったのにそこに立ち尽くす理由も無いわけで、家路を急いだ。ブースの中の人といい警官といい、深夜をまわるとヘンな人が増える。

  • 朝ニュートリションスティック。
  • 昼広島風お好み焼き。安いぞ!
  • 夜石焼ビビンパ。780円は高すぎる。もうやめよう。