ひとの書いた字

 ニュージーに戻って3日目だし、そろそろバックからひっぱりだして散らかし放題にした荷物を片付けなきゃなあと思うが、ちっとも体が動かん。
 コーヒーテーブルの上にはルーズリーフに書かれた1枚の置手紙が、戻ってきた日のまんま出しっぱなしになってる。僕が不在中に部屋をまた貸ししてた人からだ。


こんなに、いい部屋に住まわせてもらってありがとう。
City Life を楽しめました。
食材もいろいろ食べてしまいました。
スタンドライトをおいていくので使って下さい。
それでは、お元気で!


 ま、ただのメモだ。この人からは某国にいる間にメールできちんと挨拶を貰ってるし、まあそれほど深い親友でもなく、この先会うこともないだろう。そのまま片付けようと思ったが、ふと、字を眺めてしまう。……なんか、手書きって、捨てられないよなあ。なんか罪悪感を感じるし、すごく貴重なモノにも思える。メールばっかり使ってるから、ますますそう思うようになってきたのかもしれない。

 しまっておくことにした。